第1回定例市議会

市民・企業一丸で

2030年大会を通じたまちづくり

【代表質問】

 定例市議会は21日から各会派の代表質問が始まり、2030年冬季オリンピック・パラリンピック大会の招致に関する質問に対し、秋元市長は「大会の開催が市民の力を結集し、まちづくりを加速させることを、あらゆる機会を通じて理解いただき、市民・道民から招致への賛同を得たい」と強調した。

【冬季オリ・パラ招致】

 札幌市は昨年11月、30年冬季大会の概要案を公表。概要案には大会がもたらす「まちの未来」として、「スポーツと健康」「経済とまちづくり」「社会」「環境」の4つの姿を掲げている。

 「4つのまちの未来は、人もまちも次のステージへと進み、輝く札幌の姿が描かれている。道民・市民に対し、まちの姿を説明し、理解を得ていくことが招致活動の要になる」とし、考えをただした。

 市長は、大会を通じたまちづくりを進める上で、「市民や企業が一丸となって取り組むことが重要」と答弁。一例として、パラアスリートを地域が支え育成する市民参画プロジェクトに市民や企業が参加し、そのパラアスリートが30年大会で活躍するといったことが、大会を契機とした共生社会の実現にもつながるとの認識を示した。

 また、世界の注目を集める大会の開催は、共生社会の実現や気候変動対策などの課題解決に挑戦する札幌を世界に発信することにもなると述べた。

新型コロナウイルス対策

小児のワクチン接種

「3種類混在し混乱」懸念

 3月から始まる5~11歳を対象としたワクチン接種を控え、同じファイザー社製であっても、大人用とは別の製剤となるため、大人用ファイザーとモデルナ、子ども用ファイザーの3種類が混在し、「大きな混乱が生じる可能性がある」と指摘。小児のワクチン接種をどのように実施していくのかとただした。市長は「全ての対象者へ接種券を送付する準備を進めている」と述べ、接種場所については小児科を中心とした市内約120の医療機関で接種可能との見通しと説明。医療機関に対し、小児用ワクチンの管理徹底や、小児と保護者への丁寧な説明を要請するなど、万全の体制を構築すると答えた。

また、新型コロナの感染拡大に伴う市職員の応援体制について、各局区では業務の優先度を判断しながら応援職員を確保しているほか、各種ライフラインでも不測の欠員対応を含めた体制を構築し、「市民の命を守ることを最優先とし、全庁の総力を結集し感染症対策に取り組む」と述べた。

財政運営

歳入歳出の改革

健全な財政運営を堅持

 人口減少・超高齢社会の進展に加え、老朽化する公共施設の更新需要が高まる中、持続可能な財政運営の取り組みが一層求められると提起。市長は、歳入・歳出の改革や財政基盤を強化し、「健全な財政運営を堅持する」と答えた。  財政調整基金の22年度末残高は138億円を見込んでおり、アクションプラン2019で想定している基金残高「100億円以上」を上回る水準を維持できる見通し。一般会計の市債残高はプラン2019の想定を365億円下回る1兆1529億円に抑制され、引き続きプラン2019に沿った市債残高の管理と、同基金の柔軟な運用を求めた。
 「行政のデジタル化の遅れが健在化している」などとの指摘に対しては、官民連携のデータ取引市場を創設するほか、行政のデジタル化や事務の効率化にも取り組むと答弁。また、ワクチン3回目接種や中小企業向け融資、子育て世帯への給付金支給、文化芸術活動の再開を支援していく考えを示した。

地下鉄の持続可能な経営に向けた対応

未来へ引き継ぐために

ポイント付与率の引き下げを協議

 新型コロナの影響で市営地下鉄の利用者が大きく減少、大幅な減収が続いている中、「市営地下鉄は市民の財産。次の50年へと引き継いでいくための経営改善策が必要」とし、見解を求めた。  吉岡副市長は「改善には、現在提供しているサービスの在り方を見直さざるを得ない」と述べた上で、ICカード「サピカ」のポイント付与率引き下げについて「他の公共交通事業者とも協議を始めた」と答えた。  20年度の乗車料収入は、19年度比100億円超の減収。国が特例で認める「特別減収対策企業債」を発行することで資金不足を回避せざるを得ない状況にある。水上市議は、市交通事業経営計画で想定している乗車料収入が見込めない今、「計画上の試算を達成することは厳しい状況」と指摘。一方、安全対策や災害に備えた高架駅の耐震改修、感染防止対策としての車内の消毒等、「今後も継続し、対応することが重要」と促した。

新幹線札幌駅周辺のまちづくり

円滑な交通確保を

魅力あるまちづくりを創出

 北海道新幹線札幌駅周辺の再整備に伴う交通の円滑化についてただした。  市は昨年11月、「札幌駅周辺エリア再整備の基本的な考え方」を示している。現在、2030年に予定している北海道新幹線札幌延伸や冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据え、周辺エリアの再整備に向けた具体的な検討を進めている。  再整備によってバスターミナルが2カ所に設置されるなど、周辺の道路状況に影響を与えることが懸念されると指摘。その上で、周辺地域の円滑な交通の確保に向けた取り組みを進め、魅力あるまちづくりを創出すべきと提案した。

 吉岡副市長は、札幌駅周辺の再開発等も考慮した将来の交通量を推計し、現在その影響を評価していると説明。また、バスターミナルのスムーズな入出庫や周辺にある駐車場利用による交通分散など、「札幌駅周辺の円滑な交通の確保に向け、関係機関との協議を継続していく」と答えた。

高齢者を取り巻く多様な課題への対応

「終活」の関心高まる

行政による支援広がる

 人が人生の最後を迎えるにあたっての準備や整理を行い、人生の総括を意味する「終活」が注目されている中、自治体で「終活」を支援する取り組みが広がっている。

 単身高齢者世帯や高齢夫婦世帯の増加、家族関係の変化などにより、高齢者の孤立死への不安や終活への関心は高い。札幌市は、広報さっぽろ3月号で、終活の特集を組むとしている。  高齢者が安心して地域で暮らすための施策の一つとして、これまで行政が踏み込んでこなかった高齢者の課題に向き合うことが必要とし、終活をはじめとする高齢者を取り巻く多様な課題にどのように取り組んでいくのかと見解を求めた。  町田副市長は、高齢者人口の増加に伴い、高齢者を取り巻く課題に対する声がさらに多く寄せられることが見込まれるとし、これらの内容を注視し、今後の取り組みを検討していくとした。

その他の代表質問

次の100年の礎を築く「人づくり」
 次期戦略ビジョンの検討では、将来の札幌のまちのために活躍できる「人づくり」について、どのように考えているのか。

市長>地域で生涯学習ができる環境や、その成果をまちづくり活動などに生かせる社会参加の場の充実が必要。生涯現役として、将来のまちのために活躍できる「人づくり」を進める。

ヤングケアラーへの支援
 ヤングケアラー実態調査の結果が公表されたが、今後、どのような支援に取り組むのか。

町田副市長>ヤングケアラーを早期に発見し、支援につなげるため、福祉・医療・教育等の関係者に対する研修を実施するほか、ピアサポートによる相談支援を行う。また次期戦略ビジョンでヤングケアラーを、支援や配慮が必要な対象として位置付け、継続的な支援を進める。

犯罪被害者支援
 犯罪被害者支援として、遺族や重傷病を負った人への支援金支給のほか、家事、住居、精神医療などの給付制度を創設したことは評価する。今後は他の政令市と連携し、制度拡充を目指すべき。

石川副市長>被害者に寄り添った支援が大切。国に対する直接的な財政措置を求める発議を行い、大都市市民局長会議として提案しているが、今後も各政令市と連携しながら働きかけを行っていく。

今後の雪対策
 例年にない大雪で市民生活に大きな影響が出ている。将来の除排雪体制の動向と合わせて、大雪への対応結果について検証を行い、今後の対応に生かすべき。

吉岡副市長>大雪への対応に対する検証は重要と認識している。道から、国やJR北海道などの関係機関が連携し共同で検証することを提案された。検証の中で見出された課題を着実に解決し、大雪時の対応力を強化する。
教育環境の充実
 少人数学級の拡大が一部の学校で小学3年生を対象に試行実施された。拡大に伴う教員配置をどのように進めていくのか。

檜田教育長>来年度、小学3年生の全面実施を行うとともに、25年度までに小学校全学年へ順次拡大する。学級数の増加に伴い必要となる教員や加配についても、学校現場に支障が生じないよう各学校へ配置し、子どもたちの学びを支える体制を充実させていく。