第4回定例市議会(代表質問)

大通公園のさらなる連続化

「可能性探り、今後の在り方を検討」 

 札幌市議会の第4回定例会は12月2日、本会議で民主市民連合が代表質問を行い、居心地が良く歩きたくなる「ウォーカブルなまちづくり」の実現に向け、「大通公園のさらなる連続化」検討を促したのに対し、吉岡副市長は、2022年度の策定を目指す「都心のみどりづくり方針」の中で、「連続化の可能性も探り、今後の在り方を検討する」と述べた。

 札幌市は1993年、道路で分断されていた大通公園8丁目と9丁目の区画を連続化し、その中心に彫刻家イサム・ノグチの作品「ブラック・スライド・マントラ」を設置。公園の魅力や回遊性の向上、交流空間が創出された。

 「交流の創出空間」と「快適な歩行空間」の双方を有する同公園は、ウォーカブルなまちづくりに向け、最も重要な施設だと強調。8、9丁目の連続化から30年が経過し、公園周辺の人口も急増している中、「公園の果たす役割は以前にも増して大きくなっている」とし、見解を求めた。吉岡副市長は「大通公園の魅力と機能を一層高めるとともに、周辺のまちづくりの方向性と連動した回遊性の向上が必要。連続化はその手法の一つと認識している」と答えた。

都心の回遊性確保

 都心の回遊性を高めるため、地下通路の整備に併せて、バリアフリー化や、地上・地下の回遊ネットワークの整備に取り組んでいるものの、「利用者への対応は十分とはいえない」と指摘。案内表示も施設管理者によって異なるため、統一されていないとし、地下歩行ネットワークに携わる施設の一体による利用者目線での取り組みを進めることが必要と提起した。

 吉岡副市長は、来年度にエレベーターや多目的トイレといったバリアフリー施設の配置状況や案内サインを調査し、各施設管理者の協力のもと、効果的な情報提供方法の検討を進めるとの考えを示した。

30年冬季オリ・パラ招致

市民の力を結集

まちづくり運動の契機に

 札幌市が招致を目指す30年冬季オリンピック・パラリンピックに関し、「市民の力を結集し、成熟都市・札幌が抱える課題を解決していくということこそが、札幌で開催する意義」と強調。「市民参画をどのように考えているのか」と質問した。

 秋元市長は「30年大会はまちづくりへの貢献を目指している」として、文化や復興など8つのテーマのもと、機運醸成やレガシー(遺産)創出につながる事業を自治体等が実施できる、東京2020大会の「大会参画プログラム」に気候変動対策や共生社会の実現といった新たなテーマを設定する考えを表明。「市民とともに、課題の解決を進めるまちづくり運動の契機としたい」と述べた。

客引き防止対策

営業の自由に配慮を

安心して利用できる街に

 札幌市が条例の制定を検討している「客引き防止条例」について、「営業の自由」などの権利に配慮した対応が必要と指摘した。

 近年、すすきのなどで通行中の市民や観光客に近寄り、付きまとったり、道をふさいだりするなど、客引きによる迷惑行為が確認されている。市は、安心して繁華街を利用できる環境を整備するため、条例を制定する必要があると判断。路上でたむろする「客待ち」や、飲食店などで働くよう勧める「勧誘」も対象に含め、5万円以下の過料や氏名・住所の公表を罰則とする条例の制定を検討している。

 札幌市から諮問を受けていた審議会は、条例の目的や規制対象等を盛り込んだ答申案を了承した一方、「営業の自由は何者にも妨げられないというのが大原則であり、その制限は最小限の範囲で考えられるべき」ということも付記した。

 石川副市長は「事業者の権利に配慮しつつ、通行の妨げになる客引きなどを規制することで、実効性のある内容となるよう準備を進める」と答えた。

障がい者施策

一般就労の推進

重度障がい者の通勤支援など検討

 これまで重度訪問介護等の障がい福祉サービスは、経済活動に伴う利用が認められていなかった。このため、通勤や就業中にヘルパーの支援を受けたい場合、障がい者本人や雇用している企業がヘルパー利用にかかる費用を負担する必要があった。しかし、国は20年10月に障害者総合支援法の地域生活支援事業として、「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を創設。これにより、重度障がい者等を対象に、通勤や就業中も障がい福祉サービスが利用可能となった。

 障がいのある人の一般就労を推進していくため、同事業の実施を検討すべきと提起。町田副市長は「重度障がい者の通勤支援や職場での介助の試行実施に向け、他都市の状況を参考に関係者の意見も伺い、検討を進めている」とし、障がい者就労を取り巻く環境の変化に対応しながら、一般就労の推進に取り組んでいくとした。

帯状疱疹の予防対策

市民の健康守る

国の動向等、情報収集に努める

 帯状疱疹の健康被害から市民を守る対策を検討すべきと提案した。

帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス」により発症する疾患。激しい痛みを伴う場合や、顔や頭などにも症状が現れ、日常生活や仕事に支障を来す場合もある。

 厚労省は16年、従来の水痘ワクチンを50歳以上の人に対する帯状疱疹予防として使用することを承認。18年には帯状疱疹専用の組み換えワクチンを承認した。しかし、接種後5年以上の効果があるとされる水疱ワクチンは1回接種で7千円前後、接種後9年以上効果があるとされる組み換えワクチンは2回接種で約4万円と高額のため、接種をあきらめる人が多い。名古屋市や東京都文京区などでは、助成事業を実施している。

 町田副市長は、国で定期予防接種化の議論が行われているとし、「国の動向など、必要な情報収集に努めていく」と答えた。

胆振東部地震の復興継承

コミュニティ再生に地域の力

復興の取り組みを今後に生かす

 秋元市長は、胆振東部地震の影響を受けた清田区里塚地区の復興について、「発災から3年という短期間で復旧を終えた里塚地区では、被災した8割の人が現地で再建され、新たに住まわれた人もいるなど、にぎわいを取り戻しつつある。復興がスピーディーに進められたのも、コミュニティ再生に向けた地域の皆様、携わっていただいた皆様の力添えの賜物と感謝申し上げたい」と総括した。

 特に大きな影響を受けた清田区里塚1条1、2丁目地域は、地中部の土砂の流出に伴って最大2.5メートルを超える地盤沈下が発生。街区の約8割の106件で家屋と宅地が被害を受け、住民の約半数が避難を強いられた。

今後の災害発生を想定した備えや復旧復興に生かすことができるよう、今回の経験を継承していくことが必要と提言した。

プラスチック資源循環促進法

財政支援を要望

一括回収導入の課題ただす

 2022年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」への認識と今後の対応についてただした。

 国は20年に「今後のプラスチック資源循環施策の在り方について(案)」に関するパブリックコメントを実施。この中で、容器包装プラスチックと製品プラスチックの一括回収が「循環型社会形成推進交付金」の要件となることが示されている。同交付金は、清掃事業を行っている市町村等が清掃工場や埋め立て処分場を整備するための貴重な財源となっており、一括回収の実施の有無によって交付金が削減ということになると、清掃事業運営に大きな影響を及ぼす懸念がある。

 吉岡副市長は、プラスチックの一括回収の導入について、収集、選別及び再商品化のそれぞれの過程で、大幅な体制の見直しや経費増大といった課題があると説明。国の動向を注視しつつ、課題への対応方法など今後の方向性を検討していくほか、他の自治体と連携し、国に対して財政支援などの要望を行っていくとした。